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Drop's「“悲しい”とか“不安”と言わずに、いかにそういう感情を出せるかなって」


通算3枚目になるDrop'sのEP『未来』は、彼女たちが新しいステージに上がったことを静かに告げるような、新鮮で充実した作品になった。リード曲の『未来』をはじめ4曲すべてが5人のルーツを感じさせながらも、今まで以上に芳醇に香っている。それは今この瞬間の心の揺れや好奇心をじっくりと見つめ、味わう時間を重ねてきたからなのかも知れない。そんなふうに感じた、中野ミホ(Vo.&G.)と荒谷朋美(G.)ふたりのロング・インタビュー

――『未来』を初めて聴いたのは3月の札幌でのSHOW CASE LIVEの時だったんだけど、すごく素敵で感動しました。ボブ・ディランとかニール・ヤングみたいな70年代のフォークロックの匂いがして。今までならこういう曲が出来ても、リード曲にはならなかったのかもっていう新鮮さもありました。

中野ミホ(Vo.&G.)「確かに『未来』の感じ自体、今までありそうでなかった感じかなと思います」

――前作のブルージーな『さらば青春』から一転して、春らしい柔らかい作品になりましたね。

中野「そうですね。でも曲が出来たのは、去年の冬で。4曲とも、レコーディングはクリスマス頃にしました。『未来』はけっこう前、『コール・ミー』を作った頃だから1年以上前から断片を録音したものがあったんですけど。他にリード曲の候補が一曲あって、それとどっちにするかギリギリまで決まらなくて。『未来』にするってことになってから、いろいろ手を加えたんです。最初は4拍子でメロディもなかったんですけど、やってるうちに揺れるようなリズムのほうがしっくりきて、3拍子にしようってことになって。その時はもうちょっと速い、突っ込んだ3拍子だったんですけど、でも急激にぎゅっと切なくなるような、疾走感みたいなのも欲しかったんで最後に速くなるところを加えて」

――イントロもおもしろいよね。短いけど印象的。

荒谷朋美(G.)「最初は普通にドラムのカウントだけで入ってたんですけど、何かアイデアが欲しいよねってことで、ちょっとドラムのフィル入れてみようかってことになって。最終的に、短いイントロにして、そのままギターのリフに入ったら印象的に歌にいけるんじゃないかって、削って削って今の感じになりました」

――サビのメロディもすごくグッとくる。ひとりの時に口ずさんでも、誰かのことを思い出してるような、そういうメロディだと思います。

中野「嬉しい。サビは耳に残るほうがいいな、といつも思って作ってます。3拍子だから3つの音で出来てる言葉がちゃんとハマるように大事にしました。キーが高くて言葉の数も多いし音の上下もけっこう激しいから、流れるように歌うのはけっこう難しかったですけど。ずっと揺れて転がっていくような感じで、けどパーッて広がるイメージもうまく出せたかなと思います」

――歌詞のイメージは、どの段階から浮かんでいたの?

中野「もう一曲の候補があった頃から『未来』の歌詞の大きなテーマとしては“未来”にしようってぼんやり思ってて。3拍子になって曲の全体像が見えたというか、こう揺れるようなテンポ感になってから、具体的なイメージを考えました」

――私はミホちゃんの書く歌詞がすごく好きで。大雑把に言うとこの曲は“なんだか不安な気持ち”を歌ってるのかなと思うんだけど、どこにも“不安”っていう言葉は出てこないんだよね。しかもただ不安なんじゃなくて、その不安の中に希望があったり喜びがあったりするっていうのが素晴らしいなと。更に直接的な言葉を使わないで、でも誰でも知ってるような日常的な言葉を選んでいながらありがちじゃないっていう、この言葉選びが本当に素敵だなと思います。

中野「嬉しいです。“悲しい”とか“不安”とかは使いたくないっていうか、いかに言わずにそういう感情を出せるかなっていうのはいつも考えてやってますね」

荒谷「私もこの曲は、不安なんだけど最後には光が見えるっていうのがすごい良くて。そこが好きですね」

――誰でも背中を押されたり不安の向こうに希望があるんだよって言われたいと思うんだけど、だからこそ聞き慣れた言葉じゃなくて“その人だからこそ”の表現が重要なような気がするんです。でも忙しい中で曲作りしてると、音以上に言葉を生み出すのは大変なのかなとも思う。

中野「まさに今、その状態で。曲作りしてるんですけど、歌詞で止まってて。絶対わかりやすいほうがいいって私も思うんですけど、わかりやすいだけじゃやっぱりだめだし、自分のアイデンティティーみたいなのがあるから。でも『未来』は言いたいことがちゃんと言えたような気がして好きですね、自分でも」

――サビの“もしもし”って、あまり歌詞では見ないフレーズだよね。

中野「“もしもし”はイメージが最初、雲に乗ってふわふわしてるふたりがいて、でもそれは夢の中っていうか現実じゃなくて。現実は開かない踏切をずっと待ってるような、ちょっとずつちょっとずつ何かがズレていったり変わっていったりするような感じなんですけど。だけど“ふたりしか知らない歌が きこえる”っていうふうにどっかに繋がってるものがあるっていう。その雲から、電話とか電波みたいなイメージが涌いてきて。電話で普通に“もしもし”でもあるし、相手には届かないけど呼びかけてるみたいな、交信してるみたいな“もしもし”っていう。“もしもし”っていうその4文字自体もけっこうふわふわしてるし、いいかなと思って選びました」

――うん、すごく印象的です。歌詞は大好きな喫茶店での時間に書いたりするの?

中野「最終的に詰めるのは家とか静かなところがいいんですけど、言葉集めみたいな感じで喫茶店でボーッと歌詞を考えたりすることはあります」

――『恋は春色』はすごく可愛らしいレトロ・ポップだね。私は、キャンディーズを思い出しました。

中野「これは前のレコーディング終わったときくらいに(プロデューサーの)上田健司さんとオールディーズっぽい曲があったらいいねって話をしてて。そのときコード進行とかちょっと作っていて。思いっきり昭和のアイドルっぽくしようと思って、好きなように書きました。ここまで振り切ったのは初めてかも(笑)。すごい楽しんで作りました」

――『Purple My_Ghost』は180度変わって、荒谷さんの男前感全開のかっこいい曲。

荒谷「変わりすぎですよね(笑)。これはギターリフが確か去年の夏くらいからあって。曲にはしないままストックしてたんですけど、今度のEPにカバーともう1曲何入れようかって時に、ロックな曲があってもいいんじゃないかってことになって。この曲を入れることになりました」

――ギターリフが70年代のハードロックみたい。

荒谷「その頃、知り合いの人からレッド・ツェッペリンをちゃんと聴いてみるといいよって言われて。改めて聴いたら、すごくハマったんですよね。かなり影響受けて。私の趣味全開です(笑)」

――今回荒谷さんはどんな曲でくるんだろうって楽しみにしてる人もいるだろうし、聴いたら誰か作ったのかわかるよね。個性がはっきりしてきたんじゃないかと思います。

荒谷「中野が王道でいい曲を作ってくれるので、私はそういう路線ではない、Purple My Ghostみたいなのとか自分の好きなものとか、ちょっとジャンルの違う曲を作っていこうと思って書いてます」

中野「ほんとハードロックだよね(笑)。私はギターをすごい弾けるわけじゃないから、こういうリフは出て来ないと思うし、ギターをずっと触ってないと出て来ないようなリフな気がして。だからすごい新鮮だったし。最初どういう歌詞にしようかなと思ったけど、やってみたら楽しかった」

――EP恒例のカバー曲では、ついにキャロル・キングが登場です。『A Natural Woman』は弾き語りでも歌ってたけど、今回選んだのは『You've Got A Friend』。

中野「前回、キャロル・キングも候補に挙がってたんですけど、浅川マキさんになったんで、今回洋楽やってみようってなって。私、洋楽の歌詞って英語がわからないから今までストレートに言葉に共感したり感動したりっていうのはなかったんですけど。『You've Got A Friend』の和訳を読んで、すごい女性らしい、いい歌詞だなと思って。この曲は“私を呼んでくれたらいつでも飛んでいくわ”って。友達とは言ってるけど、もしかしたら何かいろいろあった恋人かも知れないし、とか思ったり。言葉がむずかしくないし、すごくいいなって思いました」

――大人の女性の歌も、しっくりくるようになってきたね。歌える曲、表現できる曲が広がってきてる感じがしませんか?

中野「しますね。みんなすごいいろんなアプローチができるようになってるし、広がってるって思います」

――Drop'sは今も学生さんのメンバーがいたり、音楽に専念してるメンバーがいたり様々で。普通の女の子として、それぞれの時間を保ちながら活動している。そういう中で、どういうふうにバンドの空気感を作ってるんだろう。

荒谷「高校の頃からしょっちゅうみんなで集まったり、プライベートで遊んだりとかもしてないし。でも、ぜんぜん仲悪くない、いいほうだと思うんです。みんなあんまり多く言葉を話す人じゃないんですけど、しゃべらないけど言いたいことはわかってるよっていう、その空気感なのかなって。なんで最初からそういう感じだったのかはわからないですけど。自然とそんな感じになってますね」

中野「バンド以外の生活がそれぞれあるから、バンドになった時にいいんじゃないかなって今思いました。全員一緒に住んでたり、同じ学校っていうのはそれはそれでいいんだろうけど、お互い別の生活があって、でもスタジオで音出したら楽しい、その感じがいいんじゃないかなと思います。音楽の話よりも他愛のないこと、今日こんなことがあったみたいな話のほうが多い気がしますけど、それがまたいいのかな(笑)」

――最近、嬉しかったことって何ですか?

中野「『未来』のミュージックビデオが出来たんですけど、それが素晴らしくて。観て涙が止まらなかったです。いつも撮っていただいてる、私が中学生の頃から大好きな映像監督の方(番場秀一監督)に今回も撮影していただいて。撮影はものすごい寒くて大変だったんですけど、出来た映像を観て、この曲作ってよかったなって。設定は違うんですけど、ちゃんと繋がっていて。自分が出てるのに泣いちゃうっていう(笑)。毎日観ちゃうくらい好きですね」

荒谷「最近、劇的に感動したことはないんですけど、日々これ弾けるようになった!っていうのが嬉しいです。今まで誰かにギターを教えてもらうことってなかったんですけど、今回のレコーディングでギターのテックさんに初めてギターを教えてもらって、すごく勉強になって。この6本の弦を鳴らすことってすごく簡単だけど、それを響かせるのはすごく難しいことだなって。それが今回のレックでのいちばんの収穫でした」

――今回のジャケット写真もすごく素敵だよね。くすんだブルーの色調で、みんなが風船に手を伸ばしてるっていう。

中野「私もすごく気に入ってます。春なんだけどピンクってよりは青っぽい淡い色がいいなと思って。風船もふわふわ浮かんでるような感じがして」

――ライブもどんどん良くなってますね。SHOW CASE LIVEでは貫禄すら感じました。

中野「SHOW CASE LIVE、楽しかったです。ファイナルの東京では東京キネマ倶楽部っていう昭和風じゃなくて本物の昭和で、地下には今でもダンスホールがあるっていうすごい素敵なところで出来て。テンション上がりました。またあそこでやりたいです」

荒谷「バルコニーでも歌えたし」

中野「そうだ。ステージの横にちょっとした階段があって、ちっちゃいカーテンがかかっててそこから出てきて歌えるようになってるんですけど。アンコールにそこで『ためいき』を1番だけ歌ったんです。マイク持って階段を下りてくるっていう小芝居を(笑)。恥ずかしかったけど、楽しかったです。SHOW CASE LIVEは全部私たちにとってはけっこう大きい会場でワンマンやらせてもらったんですけど、自分らだけを観に来てくれるお客さんがこんなにいるんだって感動しました」

――ファン層も広がってきたよね。


荒谷「もともと自分たちより年齢が上の方が多かったんで、どんどん若い人も増えてきたなぁって感じ(笑)」

中野「『未来』でどんどん若い人を呼び込みたいなって思ってます(笑)」

――私から見てDrop'sは誰にも似てないし、女の子を売り物にもしてない。毅然と音楽をやってるかっこいいバンドだなって思うんだけど。ここだけは守りたいことってありますか?

荒谷「ライブが今すごく楽しいので、その気持ちを忘れずにやっていきたいと思います」

中野「5人だけの世界を持ち続けることかな。もちろんいろんな人と一緒に作品を作ってるし、いろんな人にお世話になってるけど、それもすごく大事なことだけど、最終的にはかっこいいとかかっこよくないとか、そういう判断を5人がちゃんとわかっていて5人で決められるし5人で進められる。それが大事かなって。そこをちゃんとわかっていれば各々いろんな経験をしてもいいし、それをちゃんとバンドにも還元してやっていければいいなと思ってます」


Drop's(ドロップス)
中野ミホ(Vo.&G.)、荒谷朋美(G.)、小田満美子(B.)、石橋わか乃(Key.)、奥山レイカ(Dr.)によるロックバンド。’09年結成。高校生バンド・コンテストでのグランプリ獲得をきっかけに注目を集める。’11年、1stミニ・アルバム『Drop's』を発表。’13年9月に1stフル・アルバム『DAWN SIGNALS』をリリース後、コンスタントに完成度の高い作品を発表。3rdEP『未来』をリリースした後の2015年夏には、メジャー3枚目となるフルアルバムのリリースが決定している。


『未来』
2015.04.22 on sale


¥1,018+tax KICM-1589
STANDING THERE, ROCKS/KING RECORDS

01. 未来
02. 恋は春色
03. Purple My Ghost
04. You’ve Got A Friend



◆ミルク40周年+ミルクスタジオ35周年+ペニーレーン24 25周年+アキちゃん還暦♪ ザ感謝ライブ

2015.6.26(Fri)OPEN 18:00 START 18:30
   6.27(Sat)OPEN 16:00 START 16:30 

会場:札幌ペニーレーン24(札幌市西区二十四軒4条5丁目5-21 W'Sビル)
出演:6月26日(金) 山中さわお(the pillows)/江畑兵衛(TRIPLANE)/宮本英一(シ
           ュリスペイロフ)/ワタナベサトシ(Jake stone garage)
   6月27日(土)BAKER SHOP BOOGIE/八田ケンヂ&スマ・ロ子/シュリスペイロフ
           /PISTOL BOOGIE VINCENT/Drop’s
   ※Drop’sの出演は6月27日(土)になります。
料金: 1)2日通し券(スタンディング)¥3500 〜30枚限定
    2)指定席 ¥4000 〜各日100席限定
    3)スタンディング 各日¥2500
チケット発売中 (L-CODE 14193(共通)/P-CODE 販売なし)
問:ペニーレーン24 011-644-1911





http://drops-official.com/







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