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Galileo Galilei「ごく普通に良い音楽を、ごく普通にやる美しさ」


10月4日の福岡からスタートし、約1か月で全国11か所を巡った”Galileo Galilei landing balloon tour 2014”は学園祭ライブを含め、彼らにとってデビュー以来いちばんタイトで本数の多いツアーとなった。そのファイナルを迎えた11月9日、札幌cube gardenでのライブもまた、ガリレオ史上最高に素晴らしいものだった。最新作『See More Glass』のリリースツアーとは位置づけを変え、初期から現在までの楽曲を万遍なく散りばめたセットリストの美しい音に身を委ねながら、音楽のシンプルな歓びに立ち返ることができた、それは至福の時間だった。

15時を少し回った頃cube gardenのドアを開けると、ステージではリハーサルが始まっていた。サポートメンバーはギターにお馴染みDAIKIくん(CURTISS/G.)、鍵盤(ローズ・ピアノ!)に藤澤有紗さん(MONTBLANC/pf)。雄貴くんが「次、“山賊”やりまーす」などと進行し、時どき誰かが微調整をオーダーする以外、皆あまり言葉を交わすことはないのだけど、とても雰囲気が良い。メンバー、スタッフ全員が「わかってる」感じが伝わってくる。それにしても雄貴くんの歌、本当に素晴らしい。少年性を残した涼しい質感はそのままに深みと強さが加わり、凄味のようなものを発散している。仁司くん、和樹くんのリズム隊もどっしりと安定していて、存在感が格段に増した。

この日のライブでは、大きなサプライズもあった。『バナナフィッシュの浜辺と黒い虹』にボーカリストとして参加しているAimerさんがツアーファイナルのスペシャルゲストとして出演したのだ。しかも『バナナフィッシュ〜』だけじゃなく『青い栞』の2曲。音源ではAimerさんがメインで歌い、雄貴くんがコーラスを担っているけれど、今日のための新たな歌い分けを探るべく何度も歌い、意見し合いながら固めていく過程をリハーサルで目にすることができた。最初は少し思案気味だったAimerさんが、雄貴くんの的確なリードでどんどん曲の世界観に入っていく。こうしたい、これはわからない、ということはきちんと主張する。インタビューのとき、雄貴くんが「Aimerさんがブースに入って歌った途端、自分が描いたキャラクターの女の子がそこで歌ってるかのような感覚になった」と話してくれたのが、よくわかる貴重な体験だった。最終的に1コーラス目をAimerさんメインで、2コーラス目を雄貴くんメインで、途中からふたりで歌うことに満場一致で決まる。



18時を少し回った頃、客電が静かに落ちて『サニーデイハッピーエンド』からライブがスタート。バンドサウンドにアレンジされた『明日へ』のサビで、雄貴くんの誘導により会場がハンドクラップに包まれる。真っ直ぐにフロアを見ている雄貴くんから、幸せそうな笑顔がこぼれる。声がすごく外に向かっていて、立ち姿も今までと違う。心から、ここにいる全員に素晴らしい音楽を届けたい、楽しい時間を共有したい、という思いが伝わってくる。『さよならフロンティア』はベースが抜群に効いているし、『Mrs.Summer』のドラムの音も、たまらなくいい。誰がどんな楽器を演奏し、どんな音を出しているのか。そういうシンプルなことが、こんなに際立つライブは久しぶりだ。バンドサウンドアレンジに驚いた『リジー』では、雄貴くん、仁司くんが向かい合って楽器をかき鳴らす。こういう、いかにもバンド的なパフォーマンスも、ガリレオでは初めて見たような気がする。個人的にガリレオのライブを観るときは、今表現されていることの意味を無意識に読み取ろうとしてしまうのだけど、この日はそんなことはどうでもよかった。かっこいい言葉もいらない。ごく普通に良い音楽を、ごく普通にやる美しさ。その真面目でシンプルな姿勢から生まれるシンプルな歓びに、ただ身を任せていればいいんだと思えた。その片鱗は前回の『ALARMSツアー』から覗いていたけれど、こんなに揺るぎないものになるなんて。何より、理屈抜きに本当にメンバーが楽しそうで、観ている私たちも理屈抜きに楽しかったのだ。



もちろん彼らはただ無心に楽しんでいるわけじゃなく、楽曲によってアレンジの方向性を変えていたのが、とてもおもしろかった。ごく初期の『SIREN』や『夏空』は、ほぼ原曲のままにすることで、年齢や経験を重ねて歌や演奏技術が上がっても演り続けられる名曲であることを証明したし、音源ではエレクトロな要素の強い楽曲をバンドサウンドにしたことで、原曲の懐の深さとアレンジ力の高さを見せつけた。特にモータウン風にアレンジされた『Birthday』のかっこ良さ。そして、オオオオオ〜と一緒に歌う気持ち良さときたら。『愛を』から『Oh,Oh!』にかけて、みんなでクラップしたり、自然に一体感を高めて『星を落とす』で最高潮に盛り上がる、セットリストもこの上なかった。
ファイナルのアンコールだけのサプライズゲスト、Aimerさんが登場したときのフロアの歓声、ラストの『Imaginary Friends』まで、すべてが予測のつかない物語のように幸福な待望とときめきに満ちていた。最後に雄貴くんが言った「すごくいい夜でした、ありがとう。来年はたくさん音源出そうと思ってます。超精力的に活動していきたいと思ってるので、よろしくお願いします」という言葉に繋がるように。



今回のライブで何より驚いたのは、『See More Glass』の持つフレッシュでキラキラしたムードが、全曲の隅々からほとばしっていたことだ。同期が復活し、例えば『PORTAL』のエレクトリックな要素を一部再現していたことも無関係ではないだろうけれど、もっと根源的な「音を鳴らす」ことに対して、さらにピュアになったような印象。それでいて、角がこなれた丸みのあるサウンドに仕上がっていたのがすごい。
藤澤さんの使っていたローズ・ピアノは60年代〜70年代ポップス的な幻想的で広がりのある音が出るのだけど、それぞれの楽器のチョイスにもわけがありそうだ。どうしても気になってサウンド・ディレクターの中山賢一さんに尋ねてみると、やはりそうだった。雄貴くんのギルドはかなりの年代もので、アンプは70年代製。仁司くんのベースとヘッドアンプも70年代のもの。和樹くんが最近購入したC&Cのドラムはアメリカの小さなカスタムメーカーのもので、ヴィンテージの雰囲気を出しつつも今の音が鳴る、というこだわりの機材をそれぞれ揃えているらしい。どれも決して扱いやすい楽器ではないようだけど、純粋に「いいな」と感じる音を表現するスキルを制作とライブを重ねる中で身に付けたから、こんな素敵な音が実現したのだろう。



なぜ今、新作のリリースライブではなく、新旧交えたセットリストを組んだのかも納得できた。ガリレオの音楽は時期によってどんどん変化していくけれど、すべての曲にルーツがあり、すべてどこかで繋がっている。それは彼らの好きな音楽の成り立ちと一緒だ。原曲を極力忠実に再現した曲、アレンジを一新した曲、どちらも互いに影響を与えている。彼らが今最も心惹かれているのはおそらく70年代のフォーク・ロックやポップ・ロックだろうけれど、ノスタルジーをノスタルジーのまま再現するんじゃなく、オールドな楽器を使って現代的なサウンドを鳴らす。だから現代的なサウンドであっても、平面的じゃない寓話性や懐かしさや切なさ、甘やかさがふんわりと匂ってくる。それは天賦の才能はもちろん、天性に裏付けされた小気味よいくらい巧妙に設えた、裏テーマがしっかりあるからなんじゃないだろうか。だから私たちは、ガリレオだけの桃源郷が、必ずあると信じられる。




photo:木村有一朗

Galileo Galilei(ガリレオ・ガリレイ)
’07年、稚内にて結成。’10年2月、ミニアルバム『ハマナスの花』でメジャーデビュー。
’13年にリリースした3rdアルバム『ALARMS』、最新ミニアルバム『See More Glass』とPOP ETCのクリストファー・チュウとの共同プロデュースによる良質なポップ・ミュージックを生み出し、高い評価を得ている。’15年3月11日、約1年半ぶりとなるシングル『恋の寿命』をリリース。読売テレビ・日本テレビ系でオンエア中のTVアニメ『まじっく快斗1412』のエンディングテーマにも決定している。


【SET LIST】
M-1 サニーデイハッピーエンド
M-2 明日へ
M-3 さよならフロンティア
M-4 Mrs.Summer
M-5 リジー
M-6 老人と海
M-7 サークルゲーム
M-8 潮の扉
M-9 山賊と渡り鳥のうた
M-10 SIREN
M-11 愛を
M-12 Oh,Oh!
M-13 夏空
M-14 Birthday
M-15 星を落とす

En-1 バナナフィッシュの浜辺と黒い虹<with Aimer>
En-2 青い栞<with Aimer>
En-3 Imaginary Friends



◆The SALOVERS × Galileo Galilei

2015.01.11(Sun)
OPEN 17:30  START 18:00
会場:COLONY(札幌市中央区南7条西4丁目2-6. LC拾壱番館B1F)
料金:adv.¥3,240/day. ¥3,500円(1ドリンク¥500別途)
出演:The SALOVERS/ Galileo Galilei
問:マウントアライブ 011-211-5600
ローソンチケット:L-11860(発売中)

◆8thシングル「恋の寿命」2015.3.11リリース

※読売テレビ・日本テレビ系TVアニメ『まじっく快斗1412』エンディングテーマ
・通常盤(CD) SECL-1649 / ¥1,300(税込)
・期間限定通常盤(CD) SECL-1650 / ¥1,350(税込)
[特典]『まじっく快斗1412』描き下ろしワイドキャップステッカー仕様/『恋の寿命』TVバージョン収録



http://galileogalilei.jp/
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