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FOLKSのGANGAN!! 『CAMP FIRE#2』


9月20日(土)、FOLKSの自主企画CAMP FIRE #2の朝は、それまでの悪天候が嘘のような晴天。13時半を回った頃、会場のSound Lab mole に到着し、階段を下りていくとダイナミックな海外のシンセポップが飛び込んできた。かっこいいな、なんて曲だろう? そう思いながらフロアに入ると、ちょうど『HOMETOWN STORY』のサウンドチェック中。何度も聴いている曲なのに、本気で海外インディーだと思ってしまった。それくらいFOLKSの音には、邦楽離れした厚みや艶やかさがあるってことだろう。

ステージ上の郁人くんは、めずらしくコンタクト着用前のメガネ姿。朝までライブ作りをやっていて寝不足であろうことが窺える。このいかにも生真面目そうで品の良い文学青年然とした風貌で、どこどこタムを叩きまくる『Good-bye, friends』でのギャップがおもしろいなといつも思う。フロアには道外からのゲストasobiusと、『パラダイス』にコーラスで参加したレムチャップの小林ももさんが待機している。右手には、#1にはなかったDJブースが。

FOLKSのライブは、前回とアレンジが一緒ということがほとんどない。この日はお馴染みの楽曲だけじゃなく、初めてライブハウスで演奏するシングルのカップリング曲にもアレンジが加えられ、イントロだけではどの曲なのかわからないものも。聴き馴染んだ曲が初めて聴くみたいに新鮮な驚きに変わるから、何度でもライブを観たくなってしまうのだ。郁人くんがフロアに下りてきて中音を確認したりしながら、テキパキとPAさんに指示を出す。そんな様子をasobiusのボーカル甲斐一斗さんが、フロアの真ん中に立ってノリノリで見ている。今回asobiusはドラムの宮下孝太さんがインフルエンザでお休みのため、4人でのアコースティック編成。いつもの演奏ができない悔しさのあまり、ステージのFOLKS目がけて「機材壊れろビーム」を放つ(笑)。ビームを受けたメンバーは、みんな満面笑顔。仲良しなんだなぁ。

サウンドチェック後は、トトノワールズの装飾のお手伝い。ミミアンはカウンターの中でこの日のスペシャルオリジナルフード「イモ野郎」とオリジナルカクテル「ブラックアイスバーン!!」の仕込みをしている。「イモ野郎」はバケットに特製ポテトサラダを乗せたフィンガーフードで、素材の味を活かした薄味が誰からも愛されるおいしさ。「FOLKS HOUSEで採れたじゃがいもを20個弱使ってるんですよ」。前日のUstが終わったあとにコツコツ手作りしたのだそう。赤ワインをガラナで割った「ブラックアイスバーン!!」はワインの味が強めでなかなか大人の味。「イモ野郎」と相性ぴったりで、さすが調理師免許持ちのトレンディな男である。各バンドそれぞれのオリジナルカクテルもあり。

郁人くん、禄与くんはDJブースに入って、転換DJの準備。「かけるのは俺らの好きな曲っていうのもあるけど、それぞれのアーティストに合わせたものにしようと思って。ホストとしてステージでしゃべることはしないです。しゃべるとマイナスイメージになるから(笑)」と郁人くん。間もなく開場となり、前列がどんどん女の子たちで埋まっていく。DJブースにいるふたりに気づいて話しかける人、振り返って見ている人も。

18時、開演。一番手はオトノエ。ボーカル&ギターの原 聡さんが客席に拍手を強要して笑いを取る。「今年こそはキャンプに行きたいと思ってた夢が今日叶いました」と、どこまでもマイペース。けれどダブっぽい粘りのあるリズムと歌はクセになる味わいで、しっかりと独自のスタイルが確立されている。次のYOU SAID SOMETHINGまでの転換DJで、ファニーなインディーポップがかかっている。なるほど、まさに彼らのイメージだ。鉄琴やシンセのおもちゃっぽい音色がきちんと魅力になっているのは、フロントマン澤谷恒一郎さんをはじめとするメンバーのポップセンスの成せる技だろう。ベースのサヤさんとアコギのえりっくが立ち位置と楽器をどんどん替えながら歌うのも、ユーセッドならではの持ち味。asobiusは甲斐さんの歌と杉本広太さんのアコギによる二人体制で始まり、途中からギターの盒郷榛遒気鵝▲戞璽垢粒に命燭気鵑「俺らがいないとだめなんだろ?」と登場。ドラムレスだけれど、甲斐さんのソウルフルなボーカルの存在感が凄まじく、ぐいぐい引き込まれる。この日リリースの新曲『universurf』をアコースティックで聴けたのは、ある意味ラッキーかも知れない。


オトノエ


YOU SAID SOMETHING


asobius

そして、いよいよFOLKS。この日のために作ったというSEと共に腕を上げて登場。短いけれど、はじまりの高揚感の強い、インパクトあるSEだ。野口くんは、すでにお馴染みの三つ編みに光るボンボリを付けている。1曲目『HOMETOWN STORY』からいきなりの太鼓祭りで、フロアはすごい盛り上がり。『Two young』のブライトな透明感から、リバーブの強い濡れた音が『Take off』時代を思わせる『You're right』へ。イントロとアウトロが大胆にアレンジされていて、この日いちばん驚いた曲。初披露の『Frenemy』は、かっち兄ちゃんの男くささが炸裂。『Everything is Alone』ではオーディエンスのほとんどが拳を突き上げ、『FOREVER』で野口くん、三つ編みのキラキラを取ってフロアに投げる。本編ラストは『Good-bye, friends』。この大サビ、何度聴いても泣きそうになるくらい高まる。「ありがとう」とクールに去っていく展開もいい。すぐにアンコールの手拍子が湧き起こり、ほどなく出てきた禄与くんが共演した3バンドと、他の大物アーティストを蹴ってCAMP FIREを選んでくれたお客さんへ感謝を伝える。そして、メンバーが揃ったステージに小林ももさんを呼び込み、初めて『パラダイス』を演奏。長身で大人っぽい郁人くんと小柄な少女のようなももさんの不思議なバランスが、この曲の淡く儚い世界観をあらわしているようだった。「今日は遅くまで激戦の中、僕たちを選んでくれてありがとう。しゃべるのが苦手なので、音楽で恩返ししていきたい。また会いましょう。FOLKSでした」。ストーリーを締めくくるのは、やっぱり『Replica』。再会を誓う、希望の別れの歌。











photo:Kaoru Chiba、Ai Yakou


ふとCAMP FIREの意味を思う。流行に関係なく、自分たちがかっこいいと信じる音楽を追求する。心から音楽を愛する。そんなバンドと道内、道外問わず繋がって、灯を大きくしていく。いろんなことがあるだろうけれど、何より彼らがやりたかったのは、言葉より音で人の本能的な喜びに火をつけること、なんじゃないだろうか。そんな想像が説得力を持つ、頼もしく誇り高いライブだった。
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