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YOU SAID SOMETHING「最小限なんだけど、曲の中で耳に残るフレーズを1個か2個鳴らす」


12月9日に2ndミニ・アルバム『as you are』をリリースしたYOU SAID SOMETHING。新たにシンセやアコースティック・ギターを取り入れながらも、結成当時からの“へたくそでキラキラした音楽をやろう!”なる合言葉そのままに、身軽でローファイな魅力は変わらない。ゆるさの向こうに見える、意思とこだわりの秘密を知りたくて、バンドの中心人物・サワヤーン(vo,gt)、にインタビューした。

――タイトル曲の『as you are』は、ほど良くチルアウトしていて近年の海外インディの影響が強く感じられますね。インスピレーションを受けている時代が更新されたような。

「いろいろ聴いたものの影響が、リアルタイムで出てるんじゃないかと思います。でも、曲が短くてシンプルでポップで、全員で歌うっていうのはブレてないんで。その軸を基に、聴いていたものを反映させて作ったっていう感じです。原型が出来たのは前のメンバーの頃で、2年くらい前なんですよね。今回CDにするにあたって今のメンバーで録り直して、マスタリングし直しました。全曲ドラム以外、ほとんど自分たちで宅録したんです。ミックスは自分も携わって、マスタリングは友達にやってもらいました」

――全部自分たちで出来るって素晴らしいですね。

「そうですね。ちゃんとバンド内で完結して良いものを作れるっていうのはすごくいいことだと思っていて。音楽を作るっていうのはもちろんなんだけど、バンドを続けていくために音楽以外でもやる必要のあることってたくさんあるじゃないですか。外交官的な役割、物販のデザイン、HPとか。今のメンバーにはそれぞれ得意なことがあって仕事を振れるから、そこが強いなって。だからバンドで出来ることは全部、バンドでやりたいなと思ってます」

――ユーセッドって気軽にゆるくやってるように見えて、実はすごく考えられてるバンドなんじゃないかと思っていて。

「そうですかね。確かにユーセッドはちゃんとコンセプトがあって、それに基づいてやるっていうのをやりたくて作ったバンドでもあるんですけど」

――それが“へたくそでキラキラした音楽をやろう!”でしょうか。

「はい。メンバーのゾフィさんもえりっくもわりと初心者に近いんで、そんなにむずかしいことは出来ないんですけど。だからこそシンプルに出来るっていうか。言葉数も楽器の音も最小限なんだけど、ちゃんと曲の中で耳に残るフレーズを1個か2個鳴らすっていうのを、今のメンバーだからやれるのかなって」

――個人的に『サンタモニカ』が前から好きなんです。ハッピーなんだけど、どこか刹那的な感じのするところがいい。

「『サンタモニカ』はボーカルをとってるえりっくが入る時に作ったんです。彼女は歌えるしアコギも弾けるから、こんな感じの曲がやれるんじゃないかっていうのと、当時自分が好きだった音楽を頭の中でイメージして出来た曲です。えりっくの声は前のsayaちゃんよりちょっと大人な感じというか憂いを帯びているんで、声からインスパイアされたところも大きかったです。むかしからショートフィルム的な、映像の見える曲っていうのが好きで。そういうのをイメージして作りました。自分でも気に入っていて、ライブでは毎回やりたいかなっていう」

ーーなるほど。映画だったらどんな作品が好きですか?

「ソフィア・コッポラの作品とか。『SOMEWHERE』の冒頭シーンなんて最高ですね。レーシングコースを車が延々と走ってるっていう。意味のない長回し、みたいな感じでなんだ?と思うんですけど、ああいうのすごい好きなんです。あとは娘と父親が旅行に行ってプールで遊ぶシーン、あそこ美しすぎますね! ストロークスの曲が流れて、あの曲も最高で。音楽のチョイスも大好きなんです。ソフィア・コッポラは女の子の表情を撮るのがものすごくうまいのと、長回しがすごくいいなと思いますね。『ロスト・イン・トランスレーション』の最後も、ビル・マーレイが街で偶然スカーレット・ヨハンソンが歩いてる後ろ姿を見つけて、タクシーから降りて駆け寄るっていう。そこもセリフがなくて長回しで感情を伝えるんです。その場面、景色の美しさを伝える、みたいなのが好きなんですよね」

ーーそういう趣向は澤谷くんの書く歌詞にも表れていると思います。映像的だし、女性的でもあるというか、女の子の感覚をわかってる感じがする。

「あー、なるほど。あんまり意識したことなかったですけど。でも、2個下と7個下の妹がいて、わりと仲良いから、そういうのも関係あるかも知れない。共通で好きな少女マンガがあったりとか。『恋愛カタログ』とか、『君に届け』とか、純度が高いのがいいですね(笑)。あとは曲が短いんで出来るだけコンパクトな誰でもわかる言葉で、でもその中に印象的なワードを必ずひとつやふたつ入れて、っていうのは心掛けてますね」

――歌詞にあまり意味のないところも好きですね。一般的にはメッセージ性とか説得力って必要だと思うけど、ユーセッドの場合そういうのが入ってくると違うものになるような気がする。

「そうですね。前のバンドは人間の内面とか感情を全面に出したことを歌ってたし、わりと暗い曲が多かったんですけど、今はそういうことはしてなくて。曲の中でひとつやりたい音とか世界観があって、そこに言いたいことをワンフレーズとかちょっとだけ入れる」

――言葉選びも、例えば「抱きしめておくれよ」って、これをえりっくちゃんが歌ってるマッチングがおもしろい。甘くなりすぎない、さじ加減が素晴らしいです。

「ありがとうございます。実は語尾ってすごく直すんです。ひとつのワードでも何回も書き直して文字を入れ替えたり語尾を変えたりとかして形にします。譜割りもそうだけど、自分でイラッとしないように(笑)。そういう感じで音と言葉が合うように作ってますね。洋楽の影響を受けた音楽を日本語で歌ってるから、言葉がダイレクトに入ってくるじゃないですか。そこでセンスを問われるっていうか。海外の音楽をなぞってセンス良く音を作ることも簡単じゃないけど、そこにセンスのいい日本語の歌詞を載せるのはすごくむずかしいなと思います」

――楽曲制作はどういうふうに行っていますか?

「まず、だいたいアコギで作ります。最初に始めたのがアコースティックギターだったんで、アコギと歌で作ることが多いですね。携帯のボイスレコーダーとかに録音して。歌詞はあったりなかったりするし、その時出来るのはAメロだけだったりサビだけだったりするんですけど、そういうのを録りためて、そこから広げていくっていう感じです。で、ある程度形になったらDTMに落とし込んで、リズムを考えたりしていく」

――かなりいろんな楽器が出来ますよね。

「どうでしょう。鍵盤はちょっとは弾けますけど。ドラムはこのバンドを始める時に始めたんで、楽器でいちばん好きだけど、上手くはないです(笑)。完全に自己流だし。中学校の時はサックスをちょっとやってました。もう10年くらい吹いてないけど」

――そう言えば、もともとはぜんぜん違ったタイプの音楽を聴いてたんですよね。

「そうです。中学の時はMETALLICA、MEGADETHとかヘビーメタルが好きで。メタル聴いてギターやりたい!ってなって。その頃はゴリッとした感じのトゲトゲしたギターを弾いてました(笑)。そこから周辺の音楽を掘るようになってパンク、オルタナを聴き始めて、いろいろ経て今に至るって感じですね」

――ユーセッドはジャンルで言うならローファイ・インディーポップなんだと思うけど、どこかにパンクの要素も感じます。

「はい、パンクは大好きなんで。演奏のつたなさとか曲が短くてキャッチーな感じとか、影響を受けてると思います」

――バンドを始めた頃はどんな音楽をやっていましたか?

「始めたのは中3の終わりくらいで同級生と組んだんですけど、ドラムが女の子でベースが左利きでリードギターと僕がギターボーカルって感じでオリジナルやってました。ベースが初心者だったんですよ。コピーはむずかしくて出来ないっていうから、じゃあ簡単な3コードくらいの曲をやろうって作って。ハイスタとグリーンデイ、ビートルズが好きだったんですけど、ざっくり言うと激しいミスチルみたいな(笑)。J-POPを歪んだギターで弾くみたいな感じでした。そういうのをやりたいと思ってやってたし、自分でアレンジしてました。イメージを形にしたいっていうのは当時からあったと思います」

――ユーセッドの原型が当時からあったんですね。

「その時聴いてるものにリアルタイムで影響を受けるから、やりたいことはどんどん変わっていくんですけどね。その中で不動の存在は、イギリスのLOS CAMPESINOS!。もともと当時のギターとこういうバンドをやりたいねって始めて。こういうがちゃがちゃしたテクニックに頼らないで、男女ボーカルですげぇうるさくて全員で歌うみたいな(笑)。バイオリンとか、管を入れようかっていう話もあったんです。当時の3人でまとまったからそのままやったんですけど。今回、特典のDVDで管とバイオリンが入ったアレンジの『Denmark』を収録したんですけど、ようやく念願叶いました。コーラスにはFOLKSの岩井豪利・郁人兄弟、僕らの友達が参加してくれて。すごくいい感じになったと思います」

――FOLKSとはお互いの企画に呼び合ったり、対バンすることも多いですよね。

「はい。FOLKSのSoundCloudを聴いた時にすごい衝撃を受けて。ギターの音とかサウンドの広がりとか、これはやばい!と思って。自分と共通した音楽を聴いてるんじゃないかなって初めて感じた。時代を遡ると90年代には札幌にもマイカ フレイクスとかギターポップのシーンがあったらしくて。ユーセッドが札幌のライブハウスでやり始めた頃、自分たちより年上の人からいいねって言ってもらうことが多かったんですけど、2000年代の海外のバンドとかに影響を受けて始めたんで。そういう音楽をやってるバンドは周りにはいなかったんですね。それで2年前の夏頃にFOLKSと初めて対バンしたんですけど、期待を超えたライブだった。『Good-bye, friends』とか、なんだ、これは!と思って。ものすごい興奮して、ちょうど物販が隣だったから岩井(郁人)くんに僕からめちゃめちゃ話しかけたんです。そしたらやっぱり自分と同じPhoenixとかラ・ラ・ライオットとか海外のシンセポップを聴いてるってわかって。共通の好きなものがあるっていうのが単純に嬉しかった。FOLKSとは今でももちろんバンド仲間なんですけど、共通の音楽が好きな友達っていう感覚もあって。ユーセッドの活動で自分たちがかっこいいと思う音楽を広めたいっていう気持ちはもちろんだけど、共通の音楽を好きな仲間をもっと増やしたいっていう気持ちも強いんです」



YOU SAID SOMETHING(ユーセッド サムシング)

北海道札幌市を拠点に活動する、男女混合バンド。11 年3 月、「へたくそでキラキラした音楽をやろう!」を合言葉に結成。自主制作音源が大阪FLAKE RECORDS、京都・下北沢JETSET などの店舗で局地的な好セールスを記録し、13 年6 月、初となる全国流通盤「YOU SAID SOMETHING EP」をリリース。14年11月、メンバーの脱退に伴い、新メンバーのゾフィが加入。現在の編成はサワヤーン(vo,gt)、えりっく(vo,syn,ag)、ゾフィ(ba,鉄琴)、小林 a.k.a DJ画数(dr,per)。



YOU SAID SOMETHING『as you are』



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1. as you are
2. zombie
3. サンタモニカ
4. Tiger Grrrl
5. baby song
6. yume no naka
 


◆DEXTURE Presents 「TAMBURO vol.3」 〜トリプルファイヤー『エピタフ』&YOU SAID SOMETHING『as you are』Wレコ発〜

2016.1.9(Sat)
会場:COLONY(札幌市中央区南7条西4丁目2-6 LC拾壱番館B1F)
OPEN 18:00 START 18:30
出演:トリプルファイヤー / YOU SAID SOMETHING / Couple / MosomosO
料金:adv. ¥2,000 (1ドリンク¥500別途)
問:DEXTURE 011-522-2245
ローソンチケット:L コード 14851









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